昔と違い、今はバツイチ(離婚)が普通になってきました。
さて、分譲マンションを所有している人が離婚した場合、そのマンションはどうなってしまうのでしょうか。
また、最悪の事態を避けるための対策法はあるのでしょうか?
この記事で詳しく解説していきます。
離婚後のマンションはどうなる?
まずマンションの所有者が誰か、夫のままかそれとも他人なのかを、マンション所在地を管轄する法務局の登記所で閲覧して確認します。
つぎに実際に起こりうる悩ましい問題をわかりやすくあげてみました。
すでに第3者に売却されていた。
登記簿では、夫の名前が消されて他人の名前になっていた場合です。
この場合はマンションが売却されて第3者(他人)の手に渡っているのです。
財産分与で予定していた資産が勝手に夫に処分されたのでしょうか。
マンションには、現在夫だけが住んでいる。
マンションを妻子が出て行ってからは、夫だけが住んでいるので、住宅ローンは引き続き夫が支払っているのでしょうか。
早くマンションを売却してもらってでも財産分与を請求したいものです。
オーバーローン(ローン額の方が売却見込み額をオーバー)のまま放置して、人手に渡っていた。
銀行の話では、夫が住宅ローンを払えずに、滞納がつづいたために、銀行が競売にかけて売却したようです。
もう夫は、慰謝料の支払いや養育費の継続支払いもできなくなったのでしょうか?
夫が、マンションを出て行き妻と子が住んでいたが退去を迫られている。
妻と子が夫のいないマンションで暮らしていたのですが、ローン名義人と居住者が異なると言って、銀行から退去を迫られている。
夫のマンションの連帯保証人なので、銀行から一括返済請求がきた。
夫が住宅ローンの返済を何ヶ月も滞納したために、連帯保証人の妻に対して一括弁済の請求がきた。
このようなことが離婚後、このマンションで発生したらどうしましょう。
やはり事前に対応していないと解決策はなかなかありません。
そうならないための早めの対策
こうならないように、早目の対策について紹介します。
早目とはいつ?
できれば離婚前もしくは離婚調停中に対策することをおすすめします。
本記事で言う離婚後では対策が難しいです。
対策について
このような一つ一つの事前対策が転ばぬ先のつえとして考えられます。
・離婚時(死亡時も)の財産分与や額について決めておく。
・マンションを売却した時の妻の取り分を決めておく。
・場合によっては慰謝料や養育費についても約束しておく。
・離婚後も夫によるローン支払い義務を決めておく。
・離婚後も妻子だけでもマンションに住み続けられることを約しておく。
・離婚時(死亡時)にはマンションの連帯保証人を変えてもらうように約しておく。
・これらのことを離婚調停書のひな形として取り交わしておく。
・以上を弁護士を交えて作成したものを公正証書にして残しておく。
このような対策を最悪でも夫がマンション売却をする前に実行しておくべきです。
こじれた場合でも家庭裁判所や弁護士の持つ強制パワーを活用すべきです。
念には念を入れての準備も
前の項目とも重なりますが、離婚問題には、お金の問題がからみます。
離婚後のリスクに対応するためには、なにかの時の約束事を、文書で残しておくシビアさも大切です。
離婚協議は、法的な問題なので勝手に動くのは要注意です。
とにかく、口頭での約束は反故(ほご)にされがちです。
いわゆる、離婚できたら毎月100万円払うから、離婚届にはんこを押してくれと言った夫が、離婚してしまうと音信不通になって大慌てとなるケースです。
離婚協議書の作成
理想ですが、やはり約束を合意した段階ですぐに「離婚協議書」として文書化します。もちろん弁護士さん指導のもとにです。
離婚協議書に入れておきたいマンション関係のトラブル処理が多いからです。
たとえば、売却するのか、引き続き住んで良いのか、離婚後の住宅ローンの負担は、妻子が引き続き居住できる約束、金銭支払いが残る場合の負担についてなどです。
この離婚協議書は、離婚前であれば離婚調停(夫婦関係調整調停)で申し立てます。
ところで、財産分与請求は離婚後2年以内までですので注意が必要です。
公正証書にまいておく
離婚協議書に、法的な強制力(強制執行など)を確実に持たせるには、公証人役場で公正証書を作成しておきます。(公正証書をまいておくという)
最後は、やはり裁判で強制力があるようにしておかないと、口頭の約束だけでは約束を反故にされるリスクがあります。
まとめ
転ばぬ先のつえという格言もあります。
一番いいのは、結婚の時に夫婦で離婚時や死亡時の資産処理を決めておくのが良いのですが、そうも行かないでしょう。
せめて、夫婦が仲の良い時期に、離婚時のマンションの取り扱いなどを書面で取り交わしておくのも必要な時代なのではと感じる昨今です。
いかがでしたでしょう、対策を早めに打ちたいと感じられたでしょうか、ご夫婦が離婚後には成功するよう願っております。
とりあえず査定依頼してみよう