現在の中古マンション相場は上昇局面にある
売り時で価格に大きな差が出る
マンションを売却する際、できるだけ高く売りたいと思うのは当然のことです。そのためには仲介業者選びなどいろいろ考えなくてはならないことが出てきます。そのひとつが売却のタイミング、つまり売り時です。中古マンションの相場はもちろん一定ではなく、年ごと、季節ごとに変動するものです。それを見きわめられるかどうかで場合によっては数百万円の差が出ることがあります。
建設費相場の上昇が中古マンション市場にも影響
現在は中古マンション相場が上昇局面にあります。その要因はいくつかありますが、ひとつは建築費相場の上昇です。すでに建物ができている中古マンションと建築費相場は関係ないと思われるかもしれませんが、実は密接に関連しています。というのも建設費相場が上がれば新築マンションの販売価格が上がり、それに引っ張られる形で中古マンションの相場も上がるからです。
新築マンションの動向も見つつ考えよう
中古マンションの相場の特徴として、エリアごとに大きく違うというのがあります。たとえば、あるエリアで新築マンションがどんどん建っていたとします。建築費高騰の折り、その販売価格は当然高めになります。これにつられる形で中古マンションの相場も上がるわけです。逆に新築マンションの建設がないエリアでは中古マンションの価格もあまり上がりません。ということは新築マンションの動向も見つつ、売り時を考えるという発想もありなのです。
相場上昇の要因はオリンピック
このように建築費相場が上がる→新築マンションの価格が上がる→中古マンションの相場が上がるという関係になります。建築費相場が上がっているのは主として東京オリンピック関連の建築需要のためです。
住宅ローン金利の低下も後押ししている
さらにリーマンショック以降、住宅ローン金利が下がり続けていることも相場上昇に拍車をかけています。金利が下がればマンションを買おうとする人が増えるのは当然です。販売価格が多少高くても長いスパンで見れば金利が安いうちに買う方がお得だというわけでマンションが売れ、それによって相場が高くなるのです。
では売り時はいつなのか
オリンピック前に大量の売り物件が出そう
したがって2020年のオリンピック開催までは、建築費相場の現状は続く可能性も考えられます。しかし、だからといって中古マンションの相場もこのまま上がり続けるとは限りません。もし2020年まで待って売ろうと考えているとしたら、それはかなり危険です。
というのも、みんながオリンピック直前に売ろうと考えているとしたら、そのときには値崩れが起きます。したがって、その前に売ろうと考える人が大勢いて、大量の売り物件が出ることが予想されるからです。さらに住宅ローン金利が底を打ち、上昇局面を迎えたらそれも値崩れに拍車をかける要因になるでしょう。
売り時はズバリ「今」
東京オリンピックまであと2年しかありません。もうすぐ建築費相場の上昇が落ち着き、新築マンションの販売価格の伸びが鈍化したら、中古マンションの相場が下がるのは誰の目にも明らかです。すでに中古マンション相場は上昇というより高騰だとする専門家もいます。だから下がる時は一気に下がる可能性があります。
もちろんピークを迎えるのはこれからでしょうが「一番高いときに売るぞ!」と意気込んでいたらタイミングを逸して大損することもあり得ます。したがって「最高値の一歩手前で売れればいい」くらいの余裕を持って売却を考えるのがよいでしょう。いずれにしても、もうすぐ値崩れが予想される「今」こそ、売り時といえるのは確かです。
区切り直前の物件ならなおさら今が売り時
一方、築年数も売り時を考える際の基準になります。中古マンションを買う側は築年数5年以内、10年以内、15年以内、20年以内と5年区切りで考えるのが一般的です。ただこの考え方でいくと、築9年の物件は10年以内、築11年の物件は15年以内となって価格に大きな差が出てくるのです。しかし物件にもよりますが、一般論でいうと今どきのマンションにおいて2年程度で状態に大きな差が出ることはあまりありません。
にもかかわらず9年と11年では、場合によっては数百万円の差が出ることがあり得るのです。したがって、4年、9年、14年など各区切りの1年ほど前から売却の準備をするのがいいともいえます。そう考えると、オリンピック前の値崩れが予想される今の段階で、こうした区切り直前の物件ならばまさに売り時といっていいでしょう。
とりあえず査定依頼してみよう