購入5年後にマンション売却すると、どれくらい損をする?
購入後5年で売却をするとどれぐらい損をするのか
購入5年後にマンションを売却するとどれくらい損をするのでしょうか。
このように書くと何か損をすることが前提のように思われるかもしれませんが、もちろんそれが前提では決してありません。
失われた10年とも20年ともいうが実態は
日本は失われた10年とも20年とも言われることがあるくらい景気が長期低迷したままの状態にあると思っている人も多いかもしれませんが、実態としては決してそうではない部分もあります。
マンション、とくに都心部の物件についてはまさにその典型例で、少なくともここ数年は毎年10%近く価格が値上がりしているという結果もあります。
昨今の事情では得をする方が多い
ですから、購入から5年たって売ったからといって決して損をすると決まったものではなく、むしろ昨今の事情では得をする場合のほうが多いかもしれません。
ですが、ここではそのような景気の話とか、不動産価格の推移といった話は別にして、単純に制度上の問題として5年よりも前に売った場合と5年経過してから売った場合との違いを考えてみることにします。
税率
売却益への税率が5年を境にして大きく変わる
どうして5年にこだわるのかというと、ここで制度上の大きな分岐点があるからです。
所有する物件を売却して利益が生じた場合、そこには税金がかかるのですが、この税率が所有期間5年を境として大きく異なるからです。
5年を境として、それ以下の保有期間の場合は税率が高く、5年を越えて保有していた場合は税率が安くなっているのです。
どうしてこのような制度になっているのかという理由の本当のところは国税庁にでも聞いてみないことには分かりませんが、短期で売る人というのはそもそもの初めから転売目的というか、自分自身がそこに長期間腰を落ち着けて住むためではない人も多いからです。
国の政策で物件を短期間で転売しようとしている人は好ましくない
国の政策として、購入物件を短期間で転売して儲けを得ようとしている人はあまり好ましく思われておらず、それを抑制する効果を狙ってこのような制度になっているものと考えられます。
具体的にどのようになっているかというと、所有期間5年以下の短期の場合、売ることによって得た所得につき、所得税が30%、住民税が9%かかることになっています。
合計すると所得の39%ものお金を税金として納めなければなりません。
所有期間が5年を超えるのと超えないのとでは税率が19%も違う
これに対して所有期間5年超の場合は所得税は15%、住民税は5%となっており合計でも20%で、短期の場合と比較するとほぼ半分の納税で済むことが分かります。
このように、所得に対する税額が無視できないほどに異なりますので、5年以下で売却すると損をする可能性があるのです。
ただ、所得という言葉でも分かるように、5年を境として損得の問題が発生するのはあくまでも売ることによって儲けを生じた場合だけです。
購入時よりも価格が値下がりしており、売っても決して儲けを生じるわけではないことも多いでしょう。
儲けを生じなかった場合にはそもそも税金もかからないのですから、税率が39%であろうが20%であろうが何の関係もありません。
中古市場の価格の動静と課税される基準
市場の価格が下落するよりも早く売った方が賢い選択もある
そういう場合は、中古市場の価格が下落するよりも前に一刻も早く売ったほうが賢い選択ということも十分にあり得ます。
売る時の金額が買った時より高かったから単純に課税されるわけではない
ちなみに、ここで言う所得とか儲けというのは、売却時の価格からそのマンションの購入時に価格を差し引き、さらに売る手続きにかかった諸費用も差し引いた金額のことです。
この金額がプラスになったときに限って、そこに税金がかかることになります。
ですから、単純に売るときの金額が買ったときの金額よりも高かったからと言って常に税金が課されるわけでもありません。
諸費用を引くと儲けが出ない場合は納税の必要はなくなる
諸費用のことまで計算に入れれば実は儲けなど出ていないという場合には納税の必要はなくなるからです。
ともあれ、儲けが発生しそうな場合には、5年経過直前で売ってしまって思わぬ税額に驚くことのないように注意したほうがよいでしょう。
とりあえず査定依頼してみよう