離婚後、養育費としてマンションを渡すのはアリ?その注意点は?
養育費の代わりにマンションを渡す
離婚の時に子供がいれば、ほとんどのケースで妻側に引き取られて夫側が養育費を支払うことになります。
大まかな額は算定表からも確認でき、子供の数や収入に応じて決められます。
養育費をいつまで支払うかについては、高校卒業時までとするケースや20歳までと取り決めすることもありますし、大学を卒業する22歳までとするケースもあるようです。
これはケースバイケースですので、話し合って決めなければなりません。
いずれにしても離婚時に子供がまだ小さかったり、複数人いる場合にはかなりの額を支払うことになります。
子供を引き取った妻側がそのまま住みたいと要望を出す事がある
子供を引き取った妻側が、今の生活を変えたくないからと居住しているマンションにそのまま住みたいという要望を出すことがあります。
子供の転校手続きのことなど諸々を考えると引っ越したくないと考えるのは当然ですが、売却をして財産分与として半分を渡そうと考えていた場合には計画が狂ってしまいますし、ローンの支払いはどうするのかというのも悩みの種です。
マンションを渡すと月々払う養育費を将来にわたって相殺される
実は養育費としてマンションを渡すことは多々あり、その場合には月々支払うべき分を将来にわたって相殺されます。
ですから、マンションももらって、月々のお金ももらうということはできません。
ローン返済中のマンションを渡す
返済中の物件を渡す場合はローンの残債によっては元夫の負担が大きすぎることに
既にローンを支払い終えているようなケースではそのまま住み続けてしまって、月々のお金も渡すというケースがありますが、住宅ローンの支払いが残っている状況になると元夫の負担が大きくなりすぎますので、いずれは破たんする可能性が出てきます。
最初から無理のある計画を立てると破たんするのは早いので、できるだけ長く続けられるような計画を一緒に考えなければなりません。
常識的な範囲なら問題はない
養育費として渡す場合には贈与税はかかりませんので常識的な範囲内での物件なら問題ありませんが、常識を超えるようなものになると贈与税がかかりますので注意しましょう。
この件に関しては具体的な数字が決められているわけではありませんので感覚的な問題になりますが、慰謝料とあわせたとしてもマンション一戸分となると贈与税がかかる可能性が高くなります。
判断に困る場合は専門家に相談しましょう
古くて立地がそれほど良くない物件なら一戸分としても問題ないケースもありますので、判断が難しい時には専門家に相談してみることが大切です。
考えられるリスクを考えよう
元夫がリストラで職を失ったり何らかの理由で働けなくなった場合
マンションを渡すとはいっても、今後も元夫がこれまで通り住宅ローンを支払い続けることで維持するというケースでは、リストラで職を失ったり病気で働けなくなった場合などのことも考えなければなりません。
その時点で住宅ローンが残っていれば、そのまま元妻が引き継ぐか売却という手段をとって処分することになります。
残債があってもオーバーローンでなければ多少は手元にお金が残りますので最悪の事態を免れることができます。
オーバーローンの状態で任意売却をする時は不動産会社に相談を
もっとも懸念しなければならないのがオーバーローンの状態に陥っているケースであり、この場合には通常の売却は行えません。
任意売却をする必要が出てきますので、不動産会社によく相談して納得した上で進めることが重要です。
トラブルを未然に防ごうと考えるのなら名義変更と可能な限り繰上返済をする
後でトラブルが無いようにと考えるのなら、やはり名義まで変更して渡してしまった方が安心です。
元妻に支払能力がないというのであれば、可能な限り繰上返済をするのが良い選択であり、できるなら一括で残債を綺麗にしてしまった方が良いといえます。
しかし、不動産は高い買い物ですので残債を全て返済するというのは非常に大変なことであり、できない人も多いので、そのまま元夫に払い続けてもらうという形をとる人が多いのが現実です。
離婚時の取り決めはよく話し合って決めましょう
離婚時の取り決めは元夫と元妻の両方の意向を反映させなければなりませんので、どちらか一方が不満を持つことがないようにじっくりと話し合って決めることが大切です。
とりあえず査定依頼してみよう